2017-01-21

「顔を見るだけで嫌」の正体

パブロフの犬

脳の条件反射(パブロフの犬)を解きほぐす

この記事は、過去に執筆した「人間関係のフィルターと条件反射」についての考察を、現在の視点で再構成したものです。


「あの人の声を聞くだけでモヤッとする」の謎

特定の人の顔を見た瞬間、あるいは名前が目に入っただけで、胸の奥がキュッとしたり、イラッとしたりすることはありませんか?

相手がまだ何も言っていないのに、なぜか自動的に嫌悪感や警戒心が湧き上がってしまう。「そんな風に人を嫌うなんて、私の心が狭いのだろうか」と自分を責めてしまうかもしれません。

でも、これはあなたの性格のせいではありません。脳の仕組みである「パブロフの犬」という現象が、あなたの心の中で起きているだけなのです。


脳が勝手に鳴らす「ベルの音」

パブロフの犬とは、「犬にエサを与えるときに必ずベルを鳴らす」ことを繰り返すと、やがてエサがなくても、ベルの音を聞いただけで犬がよだれを垂らすようになる、という有名な心理学の実験です。

これと全く同じことが、私たちの人間関係でも起こります。

ある人と話したときに「なんて無神経な人だ」と傷ついた経験が数回あったとします。すると脳は、「その人の存在」と「傷ついた嫌な感情」をガチッとセットにして記憶します。やがて、その人がただ目の前を通っただけで、脳は自動的に「嫌悪感」というよだれを垂らすようになるのです。


脳は、その感情が「正しいか」を調べてくれない

ここで怖いのは、脳は「その反射的な感情が、今の事実に合っているかどうか」をわざわざ確かめてくれないということです。

一度セットになってしまうと、相手がどれだけ穏やかに話していても、脳は「無神経な人」というフィルターを通してしかその言葉を聞けなくなります。相手が悪意のない正論を言っていても、「やっぱり私を攻撃している」と歪んで受け取ってしまう。

こうなると、その人と良い関係を築くのは難しくなりますし、何より常に警戒し続けなければならない自分自身が、一番苦しくなってしまいます。


「事実」と「感情」のセットを、そっと切り離す

必要以上に人間関係を難しくしないために大切なのは、湧き上がった感情をそのまま信じるのではなく、「事実」と「感情」をそっと切り離して観察してみることです。

「私は今、あの人の言動に怒っているのだろうか?それとも、過去の記憶が鳴らしたベルの音に怯えているのだろうか?」

一呼吸おいて、事実以上の感情を自分でトッピングしていないか、冷静に確かめてみる。「今の言葉自体には悪意はないな」「これは私の脳が勝手に鳴らしたベルの音だな」と気づくだけで、怒りや恐怖に心を乗っ取られにくくなります。


色眼鏡を外して、心の平穏を取り戻す

長年かけて脳に染みついた「ベルの音」を止めるのは、一朝一夕にはいきません。相手を前にするとどうしても冷静になれない、ということもあるでしょう。

そんなときは、一人で抱え込まないでください。カウンセリングを通じて、その人との間に起きた事実を一つずつ丁寧に精査し、あなたの心がなぜそのベルを必要としたのか、根本にある理由を一緒に紐解いていきます。思い込みのフィルターを1枚ずつ外して、あなたが穏やかな心の平穏を取り戻せる日々を、誠実にサポートします。

◆関連記事 ⇒ リフレイムの心理カウンセリング
◆関連記事 ⇒ オンラインカウンセリング
◆関連記事 ⇒ カウンセリングのメニュー・料金

◆関連記事 ⇒ 生きづらさへの対応
◆関連記事 ⇒ よくあるご質問

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です