感情もお菓子も、じっくり味わう

心のモヤモヤを「消化」するヒント
この記事は、過去に執筆した「感情の消化とマインドフルネス」についての考察を、現在の視点で再構成したものです。
お菓子の「早食い」と、満たされない気持ち
私は甘いものが大好きで、和洋を問わずよくお菓子を買うのですが、チョコもケーキもお饅頭も、美味しさに夢中になって、いつもあっという間に食べてしまいます。
胃腸には決して優しくない食べ方ですし、後から胃が重くなって後悔することもしばしば。それなのに、食べ終わった直後にはいつも「あぁ、もう少し食べたいなぁ……」と思ってしまうのです。
もっとゆっくり、一口ずつ五感で味わって食べれば、こんな風に際限のない欲求に振り回されなくて済むのかもしれません。そして実は、これと全く同じことが、私たちの「心と感情」の間でも起きている気がするのです。
見ないフリをした感情は、心の奥でくすぶり続ける
嫌な出来事や心理的なストレスに遭遇したとき、「仕方がない」と受け流したり、「考えたくないから」と見ないフリをしたりしがちです。
日頃から「自分が我慢すればいい」と本音を引っ込めやすい人ほど、ネガティブな感情をぐっと喉の奥に飲み込んでしまう癖がついているかもしれません。
でも、流したり見ないフリをしたりしても、一度生まれた感情は消えてなくなるわけではありません。消化しきれなかった「苦しさ」「怒り」「不安」は心のどこかに澱(おり)のように溜まり続け、何かの拍子にフラッシュバックのように蘇ってきます。心の満たされなさを過食や買い物で埋めようとしてしまうのも、元を辿れば、この「消化不良の感情」が原因のことが多いのです。
「今、ここ」の感情に、そっと目を向けてみる
今ではすっかり定着した心理アプローチのひとつに、「マインドフルネス」があります。難しい定義はいろいろありますが、簡単に言えば「今この瞬間に湧き上がってきた感情を、ジャッジせずにそのままじっくり味わう」という心の扱い方です。
「あぁ、私は今、あの言葉にすごく傷ついたんだな」 「今、胸のあたりがザワザワして、怒っているな」
そんな風に、目をそらさずに自分のネガティブな感情とも一度ちゃんと向き合い、心の中で味わってあげる。すると不思議なことに、想像の中で必要以上に膨らんでいた不安や恐怖が、じわじわと形を変えて「消化」され、受け入れやすくなっていくのです。
ケーキを味わうように、心を見つめる
「いつも嫌な気分を引きずってしまうな」「自分の感情を置き去りにしてきたな」と思うなら、まずは見ないフリをしていたストレスに、そっと目を向けてみませんか。
「感情を無理にコントロールしようとせず、ただじっくり味わう」——そう言われても最初はピンとこないかもしれません。そんなときは、お気に入りのお菓子を食べることから練習してみるのもおすすめです。
私も今日は帰りに、大好きな「洋菓子ボンボン」に寄って、まだ残っているケーキを手に入れて帰ろうと思っています(笑)。仕事のことは一切考えず、その甘さと美味しさだけに集中して、じっくりと味わってみる。「もう少し食べたい」という際限のない欲求が消えるかどうかの、いい実験になりそうです。
あなたの心の中にある、まだ消化されていない大切な感情。一人で向き合うのが少し怖いときは、いつでも頼ってくださいね。
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