2017-09-03

「頭のノイズが消えない」とき

私が山を歩く理由

この記事は、過去に執筆した「マインドフルネスと自然の効果」についての考察を、現在の視点で再構成したもの(リラックス編)です。

「頭を空っぽにする」のが苦手な、不器用な私たち

いつかの記事で、本当のリラックスとは頭を空っぽにすること(引き算)ではなく、自分の好きなことに心を置くこと(足し算の没頭)だとお話ししました。

偉そうにそんなことを書いている私ですが、実は私自身、昔からとにかく雑念が多く、周囲の空気を過剰に読みすぎてしまうきらいがあります。静かな部屋でただ目を閉じて瞑想しようとしても、頭の中がざわざわと動いてしまい、なかなか自分の呼吸だけに集中することができませんでした。

「頭のノイズを消して、もっと心を楽にしたいのに、どうしても上手くできない」——そんな悩みの末にたどり着いた、私にとっての最高の「没頭」が、趣味である山歩きでした。

しんどさの先で、脳が「今ここ」に集中し始める

月に2回ほどのペースで山に入っているのですが、登り始めは仕事のことや日常のあれこれでざわついていた心が、一歩また一歩と進むにつれて、不思議なほどクリアになっていきます。焚き火の炎をじっと見つめているうちに、頭が真っ白になっていくあの感覚に似ています。

なぜ、山を歩くと頭の雑音が消えるのでしょうか。その理由は、山歩きの「心地よいしんどさ」にあります。

傾斜のある道を一歩ずつ登っていくとき、他事を考えるだけの余計な雑念は、頭の中から自然と消え去っていきます。どこに足を置けば安全か、次の足場はどこか。あえて「集中しよう」と強く意志を働かせなくても、強制的に身体の感覚へ意識のピントが合わさっていくのです。 これこそが、「今ここの瞬間に意識を向ける」という、脳科学的に正しい没頭の状態です。

日常から遠く離れて、五感がひらかれていく

都会の便利な場所にいると、どんなに頭を休めようとしても、無意識のうちにスマートフォンに手が伸びたり、次の予定が頭をよぎったりして、どこか気が抜けないものです。 でも一歩、大自然の中に身を置くと、環境が私たちの五感を心地よく刺激してくれます。

息が整ってくると、それまで気づかなかった登山道の脇に咲く小さな花、鳥の声、肌をかすめる風の変化、どこか遠くの木々のざわめき……といった自然のささやきが、驚くほど鮮明に飛び込んでくるようになります。 心の雑多なノイズが消えていくおかげで、頭の中で煮詰まっていた問題がとても小さく、シンプルなものに思えてきて、客観的に自分と向き合えるようになっていくのです。

あなただけの「脳のスイッチ」を見つけよう

山から下りたときの、心地よい身体の疲労感。それとはまったく別にある、頭の中のあの透き通るようなクリアな感覚。特に仕事で行き詰まっているときほど、この効果は抜群です(笑)。

もちろん、「みなさんも今すぐ山に登りましょう!」と言いたいわけではありません。大切なのは、私にとっての山歩きのように、あなたにとっても「それをしている間は、強制的に頭のざわつきが静まる」という、自分だけの特別な場所や時間をひとつ持っておくことです。

それは、静かなカフェの一角かもしれないし、お気に入りの本を開く時間かもしれませんね。

日々の強いストレスで心が煮詰まってしまい、自分だけの心地よい没頭の場所が分からなくなってしまったときは、いつでも頼ってください。あなたの心が一番のびのびと呼吸できる場所を、一緒に見つけていきましょう。

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