2017-09-09

「性格だから仕方ない」と諦めてしまうとき

性格は変えられる

脳の癖を塗り替える、3つのステップ

この記事は、過去に執筆した「性格の変化と行動の心理」についての考察を、現在の視点で再構成したものです。

「いまさら、私の性格なんて変わらない」という諦めの檻

「私は昔からネガティブな性格だから」 「傷つきやすい性格だから、何をしても無駄」

生きづらさを感じるとき、「これは自分の性格だから仕方ない」と、諦めの檻の中に自分を閉じ込めてしまいがちです。

でも心理学や脳科学の最前線では、「性格は後天的な環境や習慣の影響が大きく、アプローチ次第でこれからいくらでも変化させていける」という見解が主流になっています。つまり、性格は「変えられるかどうか」ではなく、「どうやって健やかに書き換えていくか」という方法論の話なのです。

そのためには、これまでの思い込みを少しずつ手放していく「3つのステップ」が必要になります。

 ステップ①・②:まずは「心の土台」を整え、自分を知る

性格の土台にある「思考の癖」を整理していくために、まず欠かせないのが「自分を深く知ること」です。

でも、ここで多くの人が陥ってしまう罠があります。心が疲れ果て、精神的に不安定な状態のままで、無理に自分と向き合おうとしてしまうことです。心身のエネルギーが枯渇しているときは、あらゆる物事がネガティブに歪んで見えてしまうため、どれだけ内省しても「やっぱり自分がダメんだ」という極端な自己否定に着地してしまいます。

だからこそ、カウンセリングでは必ず次の順番を大切にしています。

まずは心と身体を徹底的に休ませて、精神状態を安定させること(①)。そして、心に余白が生まれた状態から、初めて自分の心の癖を冷静に紐解いていくこと(②)。

遠回りに見えるかもしれませんが、土台を優しく整えることが、結果として一番の近道になります。

 ステップ③:「正論」だけでは動けない、脳のブレーキを外す

心の土台が整い、自分の癖が見えてきたら、最後のステップは「小さな行動(新しい習慣の選択)」です。

自己啓発本をたくさん読んだり、セミナーに参加したりしても「どうしても現実が変わらない」と悩む方は少なくありません。脳は変化を嫌う性質があるため、頭では「やった方がいい」と分かっていても、「上手くいかなかったらどうしよう」「傷つきたくない」という強いブレーキをかけて、行動させないように仕向けてしまうからです。

ただ、「だから勇気を出して行動しなさい!」と突き放すのは、少し乱暴な話です。長年ネガティブに考える強い癖がついている脳の回路は、いわば「頑固な左利き」のような状態です。今日明日でいきなり「右利きのように器用に動け」と言われても、身体がついてこないのは当然なのです。

新しい行動を起こそうとするとき、慣れ親しんだ古い癖を抜けるための「居心地の悪さや違和感」を伴うのは、脳の仕組みとして至極あたりまえのこと。決して、あなたの意志が弱いからではありません。

長い時間をかけた癖だからこそ、ゆっくりと

だからこそ、最初のうちは一人で頑張ろうとせず、誰かのサポートを頼ることをお勧めします。自分一人では、どうしても脳の古いアラームシステムに飲み込まれて動けなくなってしまいます。だからこそ、そこをカウンセラーのような存在に、優しく軌道に乗せてもらうのです。

長い時間をかけて出来上がった思考の癖です。簡単にパッと変わる魔法はありません。でも、コツコツと新しい行動の軌道に乗りさえすれば、脳の回路は必ず新しい癖を覚え、むやみに不安になることは少なくなっていきます。

「ネガティブを180度ポジティブに変える」ような、自分とは違う誰かに生まれ変わる必要はありません。必要以上にマイナスに傾いている脳のプロペラを、少しだけ真ん中に戻してあげる。それだけで、世界の見え方はずいぶん変わります。

その新しい一歩に伴う最初の違和感さえも、一緒に面白がりながら、ここから歩みを進めてみませんか。あなたが安心して新しい自分へと進んでいけるよう、いつでもあなたのペースに寄り添って伴走させていただきます。

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