2018-10-12

自己表現の知識と方法?

自己表現の知識と方法を身につける

自己表現が苦手で自分を抑えて人と付き合うことしかできないという方がいます。リフレイムで企画しているHSP交流会にもそういう方が多く参加されます。自己肯定感や自己評価の低さが生み出す「相手にどう思われるか」という不安や恐怖は、いつしか自己表現さえ失わせてしまう程の強い感情といえます。

そういう方に話を聞いてみると「自己表現できる人がうらやましい」「なぜ私はこういう人間に生まれてしまったのか?」といった意見が返ってきます。確かに人間関係が苦手な人からしたら、周りの誰もが上手くやれているような感覚が強いのかもしれません。

しかし、生まれつき社交的とか人間関係が得意という人間はいないと思います。(なかにはいるかもしれませんが)なぜなら、そういったものは後天的に成育環境の中で身につけていくものだからです。例えば大きな影響を及ぼすのが親です。親の持っている子への愛情の形や、育児を通してどういったことを学ばせ経験させるのかが、後に子供の対人スキルに大きく関わってくることは、既に脳科学や発達心理学で実証されています。そして、程度の差こそあれ愛情の形さえ歪んでいなければ(あるいは先天的な問題を抱えていなければ)子供はそれなりの対人スキルを身につけた上で社会に出ていける確率が高いといえます。

だとすると人間関係で困っている人は、まずは親子関係で他人と関わる上で必要な知識やスキルを持てなかった可能性から考えても良いと思います。それ自体は辛い話ですし、いずれ向き合う必要もありますが、一方で思い当たる節があれば「環境的に練習不足だったから苦手なのかもしれない」という可能性が生まれるからです。(もちろん成育環境で関わる人間は親以外にも考えられます。ですからまず一番接する時間の多かった親子関係からチェックしてみようという意味です)


ここでひとつ親の影響が強いかをチェックしてみましょう。例えば電車やバスで席を譲らない人を見たときにどう思いますか?「普通そういうときは~すべきだろう」「人として弱者に気を遣うのは当たり前だろう」といったことを考えながらイラっとするなら、問題を抱えている可能性があります。主語が「私は」ではなく「普通は」「人は」になっているからです。あなたは普段から、あなたの考えではない誰かの考え方でものごとを考えているということです。(自分もその声に従って感情を抑えて生きているので、このパターンの場合は「私は守っているのに!」という自分との対比で怒りの感情が生まれやすいといわれています。)

これは、対人関係において大きな悪影響を及ぼす思考の歪みの一例です。あなたは人と向き合うたびに「~すべき」「~と思うはず」といった自分でも相手でもない誰かの声に従って会話をしようとしていませんか?


対人スキルに関しては生来のものではなく、環境由来の影響だと考えれば、練習の効果が期待できますし、現にそういった形でのサポートを受けて変わった人もいます。(リフレイムではコミュニケーションスキルを向上するいくつかの企画もあります)

自分の感情を抑えるのも、自分の感情をぶつけるのも、どちらも根は同じで親子関係を代表とするネガティブな人間関係から生じた自尊心や自己評価の過度な低さが考えられます。自己表現の練習を重ねると、それら自分の中にある根深い問題にも向き合うことになるので、ある程度の準備と覚悟は必要になります。具体的には痛みを背負うことと時間をかけること、辛いときには助けを求められる人や場所の準備です。決して簡単なことではありませんが、人間関係で苦しむのを少しでも軽減していきたいなら、やってみる価値はあると思いますから、是非一度考えてみてくださいね。もちろんカウンセリングを通じて個人的に対応することもできますから、いつでもご相談ください。

では今日の話はここまでです。このところ急に冷え込んでいますので、体調にはくれぐれもご注意ください。またお会いする日までどうかお元気で。。

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