HSPは「ゴール」ではなく「通過点」

この記事は、HSPという概念を入り口に、本当の自己理解へとたどり着くためのプロセスを整理したものです。
「HSP」という言葉が不要になる時
カウンセリングの現場では、生きづらさの理由を探す中で「HSP」や「内向型」という言葉に出会う方が多くいらっしゃいます。しかし、興味深いのは、自己理解が深まり自分に合った生き方が見つかってくるにつれ、「そういえば最近、自分がHSPであることを意識しなくなりました」と仰るようになることです。
実は、HSPという言葉を使わずに「自分自身の言葉」で自分の性質を説明できるようになった方が、周囲とのコミュニケーションは格段にスムーズになります。
「入り口」としてのHSP、「出口」としてのアイデンティティ
私の経験から導き出した仮説はこうです。 HSPという概念は、自分の気質を理解し、それに合った生き方を選べるようになるまでの「秀逸な自己理解ツール」である。
それは、あなたという人間そのものではありません。自己理解が進むにつれて、HSPというラベルは役目を終え、その下にある「あなたという唯一無二の個性」が立ち上がってくるのです。
もし、長期間「自分=HSP」という状態から抜け出せず、苦しみ続けているとしたら、そこには2つの要因が考えられます。
- 「わかったつもり」が工夫を止めている: 「HSPだから仕方ない」と諦めてしまい、今の自分に合う環境を整えるための具体的な工夫が止まってしまっている。
- 他の問題が隠れている: HSPの傾向とよく似た精神疾患や、別の心理的な課題を「すべてHSPのせい」と誤認してしまっている。
いずれも、自己理解が「ラベルの貼付け」で止まってしまっていることが原因かもしれません。
「脳」と「環境」の摩擦を読み解く
近年の脳科学や心理学の研究では、気質や性格の多くが家庭環境との相互作用で作られることが解明されつつあります。
「皆と同じ価値観を持つことが正しい」と教え込まれる社会において、その価値観に馴染めない気質を持って生まれた子が、無理に自分を曲げようとすれば、そこには激しい「摩擦」と「痛み」が生じます。生きづらさの正体は、単なるHSPという気質そのものではなく、「自分の気質と、外から押し付けられた価値観との不一致」にあるのです。
HSPを使い倒して、その先へ
HSPは自己理解の入り口としては素晴らしいですが、そこに留まることがゴールではありません。
リフレイムのカウンセリングでは、入り口こそHSPというツールを大いに活用しますが、最終的な目標はそこを通り抜け、「自分という気質に合う生き方の探求」へと切り替えていきます。
あなたが、あなた自身のままで、無理なく息ができる場所を見つけるために。まずは「ラベル」を道具として使いこなすことから始めてみませんか。
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