2021-05-08

親による子供への影響

子供の個性を矯正する親

子供が必要としているのは『親に理解されること』です。発達心理学的にも、親が子供を理解し受け入れることは、子供の自信や精神的な安定感を育む上で必須とされています。

子供は理解された経験を通じ、安心感と自信を得て、社会に旅立つ準備を着々と進めていくわけです。

しかし現実には『正しい育て方』や『世間にどう思われるか』を基準にした子育てに囚われてしまう親が、かなりの割合で存在していることがわかっています。そういった親の特徴の一つが『子供の個性を矯正する』ことです。

具体的には、子供の言動や行動が周りの子と違う場合に「こうしなさい」「それでは将来困る」「皆にどう思われるかわかってるの?」などいった批判的な言葉を投げかけてしまうことがその一例です。(※自己否定傾向の親や特異な気質のお子さんの場合に多いようです。

この傾向にある親は概して【子供がなぜそう思うのか?】【子供がなぜそれが好きなのか】には興味を持たず(あるいは不安になって)とにかく一般的な正しさ(皆がしていること)を押し付けることが多い。

言い換えると『子供の個性を矯正する』という姿勢です。
もしそういった傾向に覚えがあるのならば、一度考えて欲しいことがあります。

誰のためにそうしているのか

もし「自分が安心したいから」「自分の正しさを証明したいから」「自分の親がそうだったから」であれば、できるだけ早くこの問題について向きあって欲しいと思います。なぜなら、子供の気質や価値観のベースは早い段階で親の影響で形作られて強固に固定されてしまうからです。

カウンセリングにやってくる不登校や精神不安の子供たちの多くが『自分がわからない』『自分はダメな人間だと思う』『変わらなければならない』『生きている価値がない』と考えているのは、多くの場合、親が子を理解できないときに「間違っている」と判断して【あなたのままではダメ。上手くやりたいなら変わりなさい】というメッセージを送り続けているからに他なりません。言い換えれば【素の自分には価値がない】と認識させ続けている可能性があるのです。

そんな風に思っている子が、親の言う「正解の子」だらけの学校にリラックスして行けでしょうか。どちらかと言えば、期待に応えられないという恐怖と不安で押しつぶされそうになってしまうのではないでしょうか。

私は親の愛情を否定する気はありません。親なら誰だって何らかの形で愛情を持っていると信じています。しかし、その愛情が愛情として子供に伝わっているかどうかは別の話です。「これはあなたを思ってのこと」と説明する親もいますが、そもそも子供を理解しているなら、『どう説明すれば、この子は理解できるか』も試行錯誤しているはず。ですから愛情の押し付けをしているうちは、子供にとっては評価され矯正されていることになってしまう可能性が高いことを忘れないで欲しいと思います。

最新の研究で、子供の気質は親子関係や子供の頃の環境で形作られることがわかってきました。どんな気質で在ろうともそれを理解し、自分に合った世界で生きることができれば豊かな人生を送ることができます。そして自分に合った世界を探せるようになるのは親の理解とサポートあってのことです。もしこの記事を読まれてご自分の考え方と向き合う必要があると考えられたのであれば、愛着の専門家のサポートを受けることも考えてみてくださいね。

久しぶりのブログ更新にお付き合いいただきありがとうございました。またお会いする日までどうかお元気で。。

内田

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