怒りが抑えられないとき
なぜ大切な人ほど感情が爆発してしまうのか
家族やパートナーに対して、怒りが抑えられなくなる。
本当は穏やかに話したい。関係をよくしたいと思っている。そのつもりで話し合いを始めたはずなのに、相手の一言や態度にカッとなり、気づけば強い言葉をぶつけている。
そして、あとから後悔する。また感情的になってしまった。もっと冷静に話せばよかった。どうして自分はこんなに怒ってしまうのだろう・・・
そんな相談を受けることがあります。
怒りが抑えられないと、「自分は短気だから」「性格に問題があるから」と自分を責めたくなることもあるでしょう。
(ちなみに、自分が怒るのは相手が間違っているからだと考える人は、そもそもこういう記事を読まないと思うので、今これを読んでいるあなたは十分に自省できている人です)
ただ、大切なのは「なぜこんなに怒るのか」だけではなく、「怒る直前まで、自分の中で何が起きていたのか」を見ることではないでしょうか。
怒りは、突然ゼロから生まれるわけではない
「ブチッと切れた」と感じると、怒りは一瞬で発生したように思えます。でも、その少し前を丁寧に振り返ってみると、別の感情や考えも存在していたのでは?と感じませんか。
また分かってもらえなかった。大切にされていない気がした。どうして私ばかり頑張らなければならないのか。ちゃんと話しているのに、真剣に受け取ってもらえない・・・など、怒りの直前に何を感じていたのかを知ることは、感情を整理するうえで役に立ちます。
やはり「怒った」という結果だけを見るのではなく、その前に何があったのかが大事な気がします。まずは、そこを丁寧に考えてみることから始めてみましょう。
「今回こそうまく話そう」が、余裕をなくすこともある
一度大きな喧嘩をすると、次の話し合いでは余計に慎重になりますよね。例えば、今度こそ冷静に話そうとか、感情的になってはいけないとか、ちゃんと分かってもらわなければ、といった感じです。
一見すると前向きな努力ですが、「失敗してはいけない」という気持ちが強くなりすぎると、人間の傾向として相手の反応を細かく気にするようになってしまいます。
少し面倒そうな顔をした。返事が遅かった。思っていた反応が返ってこなかった。それだけで「やっぱり分かってくれない」という気持ちが一気に膨らむようになってしまう。
つまり、話し合いが始まった時点ですでに、心の余裕がかなり少なくなっている可能性があるのではないでしょうか。
怒りが出た瞬間に、本来の問題が見えなくなる
本当は「家事をもう少し分担してほしい」という話だったかもしれない。「話を聞いてほしい」「約束を守ってほしい」「子供のことを一緒に考えたい」という話だったのかもしれません。
でも怒りが強くなると、「あなたはいつもそう」「どうせ私のことなんて分からない」と、話が相手の人格へ広がっていきます。すると相手も「そんな言い方をされる筋合いはない」と反応する。
こうして、本来話したかった問題よりも、「その言い方は何だ」「誰が悪いのか」という争いの方が大きくなっていきます。
だから怒りを扱ううえで重要なのは、怒りをなくすことよりも、「私は本当は何について話したかったのか」へ、いつでも戻れるようにしておくことだと思います。
もし、怒りそのものよりも、夫婦の話し合いがいつも同じところで行き詰まることが気になっているなら、こちらの記事もお読みください。
→「夫婦が分かりあえないとき|『正しさ』より、二人の間で起きていることを見る」
怒りの中身を、もう少し細かく見てみる
「怒らないようにしよう」という目標は、本来かなり難しいものです。感情そのものは、命令して消せるものではありませんからね。
それよりも怒りが抑えられない場合には、何を言われたときに反応したのか、その瞬間に何を感じたのか、何を分かってほしかったのかを細かく整理していく方が現実的だし効果的です。
たとえば「夫に腹が立った」だけではなく、「話している途中でスマホを見られたときに、どうでもいい話として扱われた気がして腹が立った」まで細かくなると、初めて伝えられるものが見えてきます。
「スマホを見るな」ではなく、「話しているときにスマホを見られると、私の話は大切ではないように感じる。今は少し聞いてほしい」と伝えられる可能性が出てくる。
それは怒りを消したからではなく、怒りの中身が見えるようになったからです。これはとても大事なことですから、おさえておきたいことです。
怒りを理解することと、傷つけることを正当化することは違う
どれだけ理由があっても、暴言や威圧、物に当たること、暴力を「感情だから仕方ない」で済ませることはできません。
また、自分の怒りを理解することは、「ここからは怒鳴ってもいい」という限界ラインを設定するためではありません。むしろ「自分はどこで限界を超えるのか」「その前に何ができるのか」を知るためのものです。
例えば、話し合いをいったん中断する。その場を離れる。後で話す時間を決める。言葉になるまで書いてみる・・・など、感情が大きくなったときに、そのまま相手へぶつけないための方法を持っておくことも大切です。
「怒らない人」になる必要はない
怒りにも役割があります。
不公平だと感じたとき、傷つけられたとき、大切なものを守りたいとき。私たちは怒りを感じることがあります。だから、怒りが出ること自体が問題なのではありません。
問題になるのは、その怒りが何を伝えようとしているのか分からないまま、毎回同じ形で爆発してしまうことです。
「なぜこんなに怒るのだろう」と自分を責めるより、「私は何に、こんなに反応しているのだろう」と考えてみる。その方が、次にできることを見つけやすくなります。
リフレイムでは、怒りを我慢したりコントロールする方法を考えるのではなく、どんな場面で感情が大きくなるのか、その直前に何を感じているのか、本当は相手に何を伝えたいのかを一緒に整理した上で、言い方も含め、どうやって相手との会話を成立させていくのかについて、一緒に考えていきたいと思います。












