複雑性PTSD・大人の愛着障害

※ここでいう「大人の愛着障害」は、医学的な診断名そのものを指しているわけではありません。子どもの頃の成育環境や人との関係の中で身についたパターンが、大人になってからの人間関係や自己理解に影響している状態を、ここではそう表現しています。「人を信じたいのに怖い」「近づきたいのに疲れてしまう」「相手に嫌われることが気になって仕方がない」といった、生きづらさを理解するための一つの視点として扱っています。

その「生きづらさ」には、理由があるかもしれません

・自分に自信が持てないし、人の目が気になる
・人間関係で、思わず感情的な反応をしてしまうことが多い
・出来事以上に感情が爆発することがあり、制御もできない
・愛情がよくわからないし、誰かといると疲れてしまう
・自分が自分ではないような、地に足のつかない感覚がある
・誰も自分のことを分かっていないと孤独を感じる
・相手への期待度が高く、思い通りに動いてほしくなる
・付き合う相手がどんどんわがままで暴力的になる
・すべきことはわかるが、したいことがわからない
・なにをやっても長続きしない
・不安になると何も手につかなくなる
・どんなことでも自分で解決せねばと思う
・完璧にやらねばと思うと何も始められない
・考え過ぎて行動に移せない
・甘えたりわがままを言ったりするのが苦手
・「分かって欲しい」という欲求を抑えるのが難しい

もし上記のような、周りには理解されにくい生きづらさに苦しんできたのなら、それはあなたの性格のせいではないかもしれません。過去の成育環境や長期間にわたるストレスの影響によって、心身にさまざまな反応が残っている可能性があります。その一つとして、複雑性PTSD(CPTSD)の可能性を探ってみる価値はあると思います。

長期間にわたって強いストレスや脅威にさらされると、心身が過緊張・過覚醒の状態になったり、人との関係や自分自身の捉え方に影響が残ったりすることがあります。そうした複雑な反応の一つとして、WHOのICD-11では複雑性PTSD(CPTSD)が位置づけられています。CPTSDはPTSDの特徴に加えて、感情調整の難しさ、否定的な自己評価、対人関係の持続的な困難といった「自己組織化の障害」がみられることが特徴です。

実際、WHOのICD-11は2022年1月に正式に発効し、CPTSDは独立した診断カテゴリーとして位置づけられました。また2024年には、CPTSDを含むICD-11の診断を臨床で行うための「臨床記述と診断要件(CDDR)」も公開されています。これまで「毒親」や「AC(アダルトチルドレン)」「機能不全家族」「対人恐怖・対人依存」といった言葉で語られてきた苦しみについても、より整理された形で理解していくための枠組みが整ってきたと言えるでしょう。

原因やメカニズムを理解できるようになるということは、裏を返せば、自分に何が起きているのかを整理し、適切な支援につなげていく可能性が見えてくるということでもあります。

改善のための「3つの柱」

リフレイムでは、成育環境やこれまでの経験によって身についた生きづらさのパターンに対し、カウンセリングを通じて「3つの柱」で対応します。

① 正しい知識の習得

自分の身に何が起きていたのかを、現在わかっている知見をもとに理解します。「自分が悪い」という自責を解き、客観的な視点を持つためのツールとして使える知識です。

② 対話による自己理解

「誰にもわかってもらえなかった」体験を、安全な環境で言葉にしていきます。対話を通じて、バラバラになった自分の感覚を少しずつ整理し、自分自身への理解を深めていきます。

③ 安心・安全体験の蓄積

頭での理解以上に大切なのが、体が感じる「安心感」です。自分の緊張や身体感覚に気づきながら、過敏になった状態を少しずつ和らげ、安心できる状態を体験していくための練習を行います。

リフレイムでは、その際の理解や実践の一つの視点として、ポリヴェーガル理論についても扱います。ただし、これは現在も研究や議論が続いている理論のため、一つの理論だけですべてを説明するのではなく、必要に応じて他の心理学・精神医学的な知見とあわせて考えていきます。

完璧な正解より、納得できる変化を

複雑性PTSDからの回復は、魔法のように一瞬で起きるものではありません。長きにわたって影響を受けてきたために、改善の道のりにおいて時に不安が強く出たり、揺り戻しがあったりすることもあります。

だからこそリフレイムは、「相性」と「適切な心理的距離感の継続」を重視します。「この人なら大丈夫だ」と感じられる安心感と、継続的な安心体験を積み重ねていくことが、回復を支える大切な土台になると考えているからです。

そしてまず目標にしたいのは、状態を180度ひっくり返すことではなく、穏やかな日常を取り戻すことです。

相手の言葉を攻撃や否定と受け取らずに、違う考えの人なんだと流せるようになる。
過剰な気づかいをせずに話せる相手を、自分の感覚で見つけられるようになる。

こうした変化が起きることで、様々な課題に安定的に取り組めるようになります。最終的にはあなたが自分の人生に納得感を感じられるように、リフレイムはサポートし続けます。

【留意点】

※複雑性PTSDにおいては、対人関係の中で相手の反応を確かめようとする行動や、依存的な傾向が強くなる場合があります。特にカウンセラーとの関係において依存が強くなると、カウンセリングの進行に影響することもあるため、心理的距離感を確認しながらカウンセリングを進めます。状態によっては、メンタルクリニックとの併用をお勧めすることがあります。

現時点では、誰もが100%改善する方法はありません。 ネット上には「私はこれで改善した」といった当事者情報が溢れていますが、推奨されている治療や心理療法があっても、その人の状態や気質、これまでの経験、そして治療やセラピーとの相性によって、得られる効果には違いがあります。心理学や精神医学も、すべてが明らかになっているわけではありません。だからこそ、自分に合う方法を見つけるまでには、ある程度の試行錯誤が必要になることがあります。推奨されている治療法については、知識習得の段階でお知らせいたします。

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【勉強交流会について】

リフレイムでは、『複雑性PTSD』について知りたい、自分で向き合いたいという方の為に定期的に勉強交流会も実施しています。(大人の愛着障害や複雑性PTSDの勉強会)

勉強交流会は前半に勉強会を実施し、後半に質問と意見の交換をする時間を設ける形です。どんなことでも構いませんので疑問や質問は遠慮なくお話しください。ただしカウンセラーは診断はできませんので、あくまで内容の勉強をするという時間としてご利用ください。

また、勉強交流会参加のご検討時に留意していただきたいことがあります。交流会や自助会に参加した際に、その場の人間関係で躓いてトラウマが上書きされるという事例はかなり報告されています(やはり人間は怖いなどの感覚)。リフレイムの勉強交流会も人間関係には十分に配慮して実施しますが、社会生活に支障が出ている場合にはカウンセリングをお選びいただくようお願いします。不安な場合には遠慮なくご相談ください。

ワークショップにて関連する内容の勉強会を実施中です。
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