HSPと、その背景にあるかもしれない複雑性PTSDという視点

リフレイムでは、「HSP勉強交流会」を定期開催していた時期があります。
「自分がHSP(とても繊細な人)だと知って、生きづらさの理由がわかって楽になった」という声を聞く機会は、当時のHSP概念の広まりとともに確かに増えていきました。
でも一方で、HSPという概念を知ったはずなのに、うまく日常に活かせずに苦しんでいる方や、まるで治らない病気のように捉えて絶望してしまう方にお会いすることも、同じように増えていったのです。
私はかつて、名古屋では先駆的に交流会を主宰していたこともあって週刊朝日やAERA.dotなどの全国メディアから取材を受けることもありましたし、100回を超える交流会を経て多くの当事者の方々のリアルな声に耳を傾けてきました。そしてその経験を通じて、一つの結論に行き着きました。
➡5人に1人が「繊細さん」 強みは? 周囲の対処法は?(AERA)
「HSPや内向型といった『型』は、あくまで自分を認識するために初めに読む説明書である」ということです。
生まれつきの「気質」と、後天的な「傷」
まず明確にしておきたいのは、生まれつき刺激に対して敏感な「HSPという傾向」そのものは、決して病気でも異常でもないということです。当然ながら気質傾向そのものを治療で変えることはできませんし、その必要もありません。
でも、もし「HSPだと気づいて自己理解を深め、気質に合わせた対処や環境調整を重ねてきたはずなのに、なぜか生きづらさや、人間関係が壊れやすいパターンが何年も続いている」のだとしたら、その場合は、生まれつきの気質とは「まったく別の要因」が背景に重なっている可能性を考える必要があります。
それが、幼少期の家族関係や成育環境の中で負った、後天的な心の傷——精神医学の世界で「複雑性PTSD(トラウマ)」と呼ばれるものです。(カウンセラーは診断できませんので、社会生活に支障が出るほど困難な状態が続いている場合は、まずはメンタルクリニックでの受診をご検討ください)
なぜ、HSPとトラウマは混同されやすいのか
過酷な環境を生き抜くために、神経を過敏に尖らせ、周囲の顔色を伺わざるを得なかった過去。その防衛反応(過覚醒など)による生きづらさが、一見するとHSPの「繊細さ」と非常によく似た状態として現れるケースがあります。
「音や光に過敏で、人混みが苦手」「他人の気持ちを察しすぎて疲れる」「些細な言葉に深く傷つく」——これらはHSPの特性としても語られますが、慢性的なトラウマを抱えた神経系の反応としても、よく見られる状態です。
この二つは本来、明確に異なるものです。でも一人で悩んでいる段階では、混同されやすい部分でもあります。
ご自身の生きづらさの土台にあるものが、純粋な「生まれつきの気質」なのか、それとも「成育環境による傷の影響」なのか。
その境目を曖昧なままにしないことが、型の中に留まり続ける段階を抜け出し、自分を縛るマイルールを丁寧に紐解いていくための、大切な一歩になります。
これからのリフレイムの取り組み
このような背景から、当ルームがかつて行っていた「HSP交流会」というサークル的な枠組みは、すべて終了いたしました。
現在は、気質という枠組みだけでは片付けられない「成育環境の影響」を抱えた方のための、より専門的なアプローチの場として、少人数制の『複雑性PTSDの勉強会』をメインに開催しています。
自分の生きづらさの背景にあるものについて、知識を得て、思考を整理してみたい方は、以下の勉強会の案内をご参照ください。
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