自己否定が癖になっている

自己否定が癖になっている

積極的に自己否定をするのは理由があるからです。もしかしたらそれは自分を守るためなのかもしれません。いくつか例に挙げてみましょう。

例えば、人と接することが苦手で孤立しがちな人がいるとして、自分が酷い人間であることを表明すれば、孤立している原因の説明となりますし≪そんなことは自分でわかっているから今さら傷つかない≫ことをアピールできます。

例えばなにかと上手くいかない人がいるとして、自分には根気が足りないのだと表明すれば、自分が学校や社会でなぜ上手くいかないのかを間接的に説明していることになります。そして同時に≪根気さえあればできるんだけどね≫という自分の可能性をアピールできます。

例えば普段から自己否定を繰り返していれば、誰かと上手くいかなくなったり、誰かに嫌われたときに「ほらね」と≪自分はわかっているんだ≫という態度をとることができます。予想の範囲内だから傷を最小限に抑えることができるわけです。

少し厳しい話でしたね。心理学者のアドラーは「自己否定は人間関係で傷つきたくないから行われる保険のようなもの」と言いました。また「人と関わりたくないための言い訳」とも言っています。すべてがそうだというつもりはありませんが、そういった可能性も否定できないということです。

人と関わる以上、傷つかないという選択はありません。いろいろな人がいていろいろな考えがある以上、どんなに注意していても事故は起こるものです。それに認知の歪みでも説明した通り、自分に必要以上のマイナスなレッテルを貼り続けると、脳はいつしかそれを本当だと認識してしまい、結果的には自分の可能性を大きく損なうことになります。

傷つくのを恐れるな!とは言いませんが、必要以上に殻に閉じこもって、良い出会いまで失う可能性を考えると、自己否定に慣れてしまった自分と≪本当はどうなりたいのか≫一度向き合ってみることが必要かもしれませんね。

あっという間の人生、自分らしく生きたいものです。ひとりで向き合うのが難しいときはいつでもご相談ください。