2017-09-03

マインドフルネス|山歩き

マインドフルネスをご存知ですか?今では多くの解説書が本屋さんに並ぶようになりました。僕の専門の認知行動療法から派生した新しい世代の心理療法の一つで、簡単に言うと気づきに特化した意識のコントロール法といったところでしょうか。

よく説明に使われるのは瞑想ですが、くだいて言うと今の出来事に五感で集中すること。食事のときはそれだけに集中して、新玉ねぎの瑞々しさや生卵のエネルギッシュさなどを噛みしめながら食べる、とか、絵を鑑賞するときには、描かれている人や物ひとつひとつの感情や状態に集中するとか・・・

不安やうつやストレスの軽減、脳の活性化など、雑念を取り払うことで生まれる効果は、欧米では既に科学的に実証されていて、最近は日本でも取り入れる医療機関が増えてきたようです。

しかし・・・ヨガをやる人はきっと瞑想が得意だと思うのですが、私の場合は雑念が多い上に、空気を読み過ぎるきらいがあるので、なかなか自分のことだけに集中し続けることが難しい。しかし、雑念を払って意識をコントロール出来たら、さぞ気持ちが楽になるだろうことは想像に難くありません。何とかならないものかと色々試した結果、良い方法を見つけました。

それが【マインドフルネス山歩き】です。

最近山に行くようになって気づいたのですが、登り初めはザワザワしていた気持ちが、進むにつれ徐々にクリアになっていくような感覚を覚えます。焚火を見ていると頭が真っ白になってくるという感じと似ているでしょうか。その理由はしんどさにあります。何か他事を考えるには体に対する負荷が強すぎる。要するに余裕が無い状態になるわけですね。そうなると脳が生存本能をフルに発揮しますから、敢えて意識しなくても、どこに足を置くかだけに集中するようになるのです。どうです?これ、マインドフルネスの狙いと同じですよね?

でもこれだけなら、他にも負荷の高いスポーツはたくさんあるわけで、自分の好きなものを選んだ方がいいのでは?と思われるかもしれません。しかし敢えて山歩きを選んだのは、これが都会や便利な場所では、肉体的に追い込まれてもどこかに安心感がありますから、雑念を生じさせる余裕がある。今の状況に集中するためには少し環境が緩いからです。(私が集中できない理由は正にそれです)

先程も触れましたが、自然の中で追い込まれることで、本能のレベルで生存に対する意識が、意志とは関係なく強制的に高まります。途中でやめたり、気を抜いて怪我をしたらそれこそ生死に関わる状況になるからです。またしばらくすると今度は登山道わきの植物や花、鳥の鳴き声、風向きの変化、動物の気配・・・などにも気が付くようになっていきます。危機管理能力が稼働して変化に敏感になるからです。でも同時にそれは日常から遠く離れているんだという実感を伴う感覚です。これらの要因により、煮詰まっていたあれこれがとてもシンプルに思えてきて、客観的に向き合える気がしてくる。多分心の雑多なものが消えているおかげで、思考のパニックから一時的に解き放たれているのだと思いますが・・・それでも心を落ち着かせる効果の大きさは計り知れないものがあるのではないでしょうか。

私は趣味で月に2回のペースで山に入っています。初めは山が好きで、仕事にも余裕ができたので再開したのですが、下りたあとのの心地よい疲労感とは別に、頭の中のクリアな感覚を実感できるようになってからは、ますます楽しさを感じるようになりました。特に仕事で煮詰まっているときなど効果抜群です(笑)

というわけで【マインドフルネス山歩き】興味のある方は是非お試しくださいね。初めてという方には道具からコースまでご相談に乗りますから、お気軽にお問い合わせください。

では、、また会う日までお元気で!

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