2021-09-28

人間関係の作り方

今回のテーマは、人間関係ってどうやってつくるの?という方向けに、「対話」の観点からの一つのご提案をお話ししたものです。ですから興味のある方だけご覧くださいね。

人間関係は作るもの?

多くの方にとって人間関係は気付いたらできているものかもしれません。特に日本では、学生の頃にグループ活動の意義を教えられ経験する環境下で育ちますから、その影響で一定数の人は無意識にでも空気を読んで関係性を上手く構築できるようになってしまうからです。

グループや集団で力を合わせて何かを達成するには、言い換えるとメンバーそれぞれが自分の個性や主張をある程度抑え、意識の同一性を目指す必要があります。そういう意味では、自分の個性や主張を抑えることが苦にならない人にとっては、集団活動で得られるもののほうが多く、力を合わせて達成する喜びが以降の人生のデフォルトな欲求となって、社会に出た後もそれを追い求め続けることもあるでしょう。

しかし一方で、何らかの事情で感情の振れ幅が大きい方や繊細さゆえに疲れやすい方にとっては、グループでの活動は(メンバーによっては)自分の強い個性を抑え続ける我慢の時間になることもあり、かなりのエネルギーを要するものと想像できます。その場合には得るものより我慢により損なわれるもののほうが多くなる為、「できれば一人で」という感情が生まれても不思議ではないように思います。

更に、学生時代をようやく乗り越えたとしても、次にやってくるのはより大きな社会的圧力です。【正しい自分でいなければ】という子供の頃に植え付けられた価値観は、『空気を読め』という社会的同調圧力と相まって皆さんにプレッシャーをかけてきます。同調することが気にならない人にはそれも当たり前のことでしかありませんが、同調に強い我慢が必要な人にとっては「できれば一人で」という思いが強化されてしまうかもしれません。

そういった背景により、人間関係を構築することへの欲求があるなしに関わらず、経験的に「できれば一人で」と考えるようになってしまった一部の人達は、次第に集団から離れがちになり、関係構築のための経験もできない状況に追いやられていく可能性が出てくるのです。

ところが、発達心理学的にも【他者により理解され受け入れられる体験】は精神的成長のための必須事項のひとつとして数えられているように、人の精神はそもそも一人では成長できない設計になっています(物理的には可能ですが)。

そこで問題となるのが、既に人に対して不信感や恐怖を感じていて「できれば一人で」と考えている人が、どうやって人間関係を再構築していけるのか?ということです。既に「気付いたらできていた」とはかけ離れた状況にあると思われますし、気合を入れなおして我慢で乗り切るというのも現実的ではありません。そこでテクニカルな方法論を導入することは、ひとつの提案として浮上してくるわけです。

そしてそれが「対話の手法」です

対話の手法

ここで言う「対話の手法」とは、近年フィンランドで研究が進んでいる「オープンダイアローグ」という心理療法(良く例に挙げられるのは統合失調症が改善した例です)で使われている対話に対する考え方のことです。

この心理療法は日本でも紹介されていますので、興味がある方は検索されると相当数ヒットすると思います。私も一通り勉強してみましたが、日本で定着するにはいくつかの難しい壁を乗り越える必要がありそうだな…と感じました。日本とヨーロッパでは教育の方向性が全く違うので、協調性や空気を読むことを重んじる日本文化が、多様性に対して簡単にオープンになれるとは考えづらいためです。ただとても素晴らしい考え方ですので、今回の記事を書かせていただきました。

オープンダイアローグの対話が目指すものは「異質性や多様性をそのまま受け入れること」です。そこには評価も矯正もアドバイスもありません。ただ理解して受け入れる。グループを選びたい人も個を選びたい人もどちらもあり。それぞれの人の考えの違いがデフォルトとして受け入れられる世界です。

そんな風に言うと「それは理想的な話であって実際には…」と思われる方もいると思いますし、今の社会の状況や今までの価値観のままでは確かのその通りで、夢の話として終わってしまうでしょう。そこでテーマに戻りますが、実現できるかどうかは別として、この機会に知識と技術を学び練習し、まずは同じ思いの人たちとの間で試してみませんか?ということなのです。

もちろん対人不信や恐怖がある方にとってはとても難しい課題です。この方法しかないということではありませんので、あくまで人間関係を再構築したい気持ちが強くて、この方法でやってみたいと思われる方へのご提案とお考え下さい。

現在リフレイムでは、心理雑学勉強会にて『人間関係と対話の勉強会』を、対話カフェにて『思うこと・考えたこと』を連動企画として実施しています。イメージとしては、勉強会で技術論を学び、対話カフェでこの技術論を学んだ同じ立場の人同士で練習会を実施する感じです。しばらくは毎月行う予定ですので、「一度は人間関係の構築をあきらめたけど、もう一度考えてみたい」「自分の考えはあるけれど、他人とどうシェアしていけばいいのかは苦手」「安心して参加できるコミュニケーション練習の場を探していた」という方のご参加をお待ちしています。

※対話カフェでは毎回自分の考えについて発表し参加者との対話を進めるため、自分の考えを話すことが難しい、気を使い過ぎて上手く話せない、そもそも自分が良くわからないという方は、まず自己理解を進めるためにカウンセリングをお勧めしていますので、よろしくお願いします。

※リフレイムはADHDやASDなどの傾向に対する専門的な対応はしておりません。参加することが逆効果になる可能性が考えられるために、そういった傾向が強い場合には、自助グループでのコミュニケーション練習をお勧めしています。ご理解よろしくお願いします。

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