2017-05-09

不調の原因が思い当たらない

原因がわからない

不調の原因が思い当たらない

GWが終わると五月病という声がそこここから聞こえてきます。最近は5月に限らず六月病などというものも登場していますよね。皆さんは心と体の調子、大丈夫ですか?実は「自分は大丈夫」という人ほど危ない!・・・今日はそんな話をしてみましょう。

人にはストレス耐性があります。どこまで耐えられるかは人それぞれだと思います。また、同じ出来事があっても上手くやり過ごせる人もいれば、考えすぎてパンクしてしまう人もいるでしょう。思考のパターンや考え方、性格なども関係あります。

カウンセリングの仕事をしていると、心身ともに不調なのに「まったく原因がわからない」「思い当たらない」「何の問題もなく過ごしていた」という人に会うことがあります。一般的に不調には原因となる問題があったり、不調のきっかけになる出来事があったりすると思われがちですが、実際にはすべてがそうではありません。先に書いたように「原因に思い当たらない」人は結構多いと思われます。では、本当に原因は無いのでしょうか?

もちろん本人も知らない内臓の病気や先天的な問題の影響という場合もあるでしょうが、多くの場合、思い当たらないのは「気づいていない」あるいは「気づかないようにしている」ことが原因なのだと思います。

まずは「気づいていない」場合ですが、これはいくつかの原因が重なり合っているような状況が考えられます。例えばストレス耐性が100の人が、仕事場の人間関係で60のストレスを抱えているとします。耐えられる範囲内ですので本人にとってはいつものことという感覚しかない。ところがここに寝不足で50のストレスが加わる。あるいはプライベートの人間関係で70のストレスが発生する。ひとつづつは本人にとってやり過ごせる内容ですから問題視しませんが、同時期に起きていることを考えれば、とっくに100を超えたストレスに襲われていることになります。何日もこれが続けば、心にも体にも不調が表れても不思議ではありません。しかし本人にとってはどれもやり過ごせている案件ですので「思い当たらない」となるわけです。

これに関連して「気づかないようにしている」例も説明しましょう。例えば仕事場の人間関係ですが、異動の時期でもない限り(あるいは異動のない職場なら特に)ストレスの原因となる相手と毎日顔を合わせなければなりません。いくらストレス耐性の範囲内と言えども長期間となると気が滅入ってしまいます。そこで「仕事だから仕方ないこと」「他の人だって我慢していること」「どこにでもあること」といった、もっともに思える理由を作って現状を受け入れようとします。ところが「仕方ないこと」を脳は自己防衛的に「当たり前のこと」に振り分けます。そうすれば、ストレスの度合いが見かけ上減るからです。「当たり前のこと」は意識の上では無視されるようになりますので、いずれ「思い当たらない」となっていきます。

いかがですか?強烈なストレスは、耐性を軽く超えるために「思い当たる」ことになりますが、微妙なストレスは、脳が生活に支障をきたさぬよう見かけ上でうまく処理してしまう為に「思い当たらない」ことになる。人それぞれですから、すべてに当てはまるとは言いませんが、経験上そういったクライエントさんは多いと思います。

どんなにうまく対処しているつもりでも、どんなに自己防衛機制が働いていても、蓄積したストレスは、いずれ心と体に悪影響を及ぼすでしょう。ですから「思い当たらない」としても振り返ってよく考えてみてください。小さな悪いことが重なった時期はありませんでしたか?「仕方ない」と思って受け入れたことありませんか?もし思い当たるなら、そこから考え直してみましょうね。自分は大丈夫!と思いこんでしまうと、変化に気付いたときにはもう手遅れなんてこと、よくある話ですから。

というわけで今日の話はおしまい。また会う日までお元気で!

◆追記
自分のストレスに気付かない人の中には、過去の厳しい成育環境の中で「感情を捨てた」「感情がわからなくなった」という人もいます。感情さえ無くなれば「辛い」も「悲しい」も存在しないことになりますから、この選択を無意識ながら自己防衛としてしてしまう人は少なからず存在しています。またこの場合には、愛着の問題やCPTSDといった精神疾患系の問題を抱えている可能性もあります。しかしこればかりは一人で向き合うのはかなり難しいとされますので、もし社会生活に支障が出ているようでしたら、一度専門機関で相談されることをお勧めいたします。

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